院居士と信士はどう違う?戒名のランクを分かりやすく比較
戒名には、故人の生前の信仰心や社会的な貢献度に応じて、いくつかのランク(位階)が存在します。その中でも「院居士」は非常に高い位に位置づけられていますが、他の位号と比較することで、その格式がより明確になります。最も一般的な位号が「信士(しんじ)」と「信女(しんにょ)」です。これは、仏教の教えを信じ、帰依した男女に与えられるもので、多くの方がこの位号を授かります。いわば、戒名の基本的な位階と言えるでしょう。その一つ上に位置するのが「居士(こじ)」と「大姉(たいし)」です。居士とは、もともとインドの富裕な長者を指す言葉で、仏教においては、在家のままで篤く仏道を修行し、お寺を支える信者のことを意味します。大姉も同様に、信仰心の深い女性信者に与えられます。信士・信女よりも、さらに信仰が深く、寺院との関わりが強かった方に授けられる、一段上の位号です。そして、これらの位号の上に君臨するのが「院号」です。院号は、信士・信女や居士・大姉の前に付けられる最高の称号であり、「〇〇院」という形で授けられます。つまり、「院信士」や「院居士」といった戒名が存在します。「院信士」は、信士の中でも特に寺院への貢献が認められた方に、そして「院居士」は、居士の中でも社会的に高い功績を残し、寺院や仏教界に多大な貢献をしたと認められた、まさに最高ランクの信者に与えられるのです。この階層を理解すると、「院居士」という戒名が、故人の人生がいかに徳高く、尊敬に値するものであったかを示す、非常に特別なものであることがお分かりいただけるでしょう。