神社の祭祀や祈祷を受ける際、「玉串料」という言葉を耳にすることがあります。これは、文字通り神前にお供えする玉串に代えて納める金銭のことですが、単に「お賽銭」とは異なり、特定の目的のために納められるものです。玉串料は、神様への感謝の気持ちや、祈願に対する真摯な思いを形にしたものであり、また神社の維持管理や祭祀の運営に使われることもあります。玉串料として納める金額に厳密な決まりはありませんが、一般的に行われる祈祷や個人の祈願であれば、五千円から一万円程度が目安とされることが多いようです。ただし、地鎮祭や上棟式、厄払いなど、行事の規模や種類によって金額の相場は変動しますので、事前に確認するか、不明な場合は神社に問い合わせるのが丁寧でしょう。玉串料は、むき出しで渡すのではなく、熨斗袋(のしぶくろ)に包んで納めるのが正式なマナーです。水引は紅白の蝶結び(婚礼以外のお祝い事全般に使う)、または結び切り(一度きりであってほしい事柄、お見舞いなど)が一般的ですが、神社への奉納なので紅白の蝶結びが良いでしょう。表書きには「玉串料」「御初穂料(おはつほりょう)」「御礼」などと書き、その下に氏名をフルネームで記載します。中袋がある場合は、表面に金額(旧字体で)、裏面に住所と氏名を書きます。玉串料を渡すタイミングは、祈祷や祭祀をお願いする際に受付で手渡すのが一般的です。その際、「お納めください」などと一言添えるとより丁寧です。神様へ奉納するという性質上、清らかな気持ちで、感謝の心を込めて納めることが最も大切と言えます。