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2025年12月
  • お別れ会形式での明るい見送り

    知識

    伝統的な葬儀の厳粛さとは対照的に、ホテルやレストランで行われる「お別れ会(偲ぶ会)」形式での見送りは、故人の人柄や希望を反映した自由で明るい雰囲気が特徴であり、悲しみの中にも笑顔や拍手がある新しい時代の見送りの形として定着しつつあります。祭壇は白い菊ではなく、故人が好きだった色とりどりの花やバルーンで飾られ、BGMにはジャズやロックなど思い出の曲が流れ、参列者も喪服ではなく平服で参加し、グラスを片手に献杯するといったスタイルは、まるでパーティーのようですが、そこには「湿っぽくならずに送ってほしい」という故人のラストメッセージが込められています。見送りのクライマックスも出棺ではなく、スライドショーの上映や、参列者全員での合唱、あるいは故人の愛用品の展示コーナーを巡るといった演出になり、涙ではなく「楽しかったね」「あの人らしいね」という温かい感情を共有することで、喪失感をポジティブな記憶へと変換させる効果があります。こうした会では、司会者が「さようなら」ではなく「いってらっしゃい」と声をかけるよう促したり、最後に全員で集合写真を撮ったりすることもあり、死を永遠の別れとしてではなく、次のステージへの旅立ちとして祝福するような空気が会場全体を包みます。参列者としても、形式張ったお悔やみの言葉よりも、故人との楽しいエピソードを披露したり、遺族に対して「素敵な会でしたね」と感想を伝えたりすることが、何よりの供養となり、遺族を喜ばせることができます。お別れ会形式の見送りは、故人の人生を称え、感謝し、そして残された人々が新たな絆を結ぶための前向きなセレモニーであり、参加者全員の心に「死」の暗いイメージではなく、「生」の輝きを焼き付ける素晴らしいフィナーレとなるでしょう。

  • 見送りの後の「精進落とし」での振る舞い

    知識

    火葬場から戻り、初七日法要を終えた後に行われる「精進落とし(精進上げ)」の席は、一連の葬儀儀礼の締めくくりであり、遺族が僧侶や世話役、親族を労うための宴席ですが、ここでの振る舞いにも「見送り」の余韻を壊さないためのマナーが求められます。本来は四十九日の忌明けに精進料理から通常の食事に戻すことを意味していましたが、現在では葬儀当日に繰り上げて行うのが一般的となり、故人を偲びながら食事をし、お酒を酌み交わすことで、緊張していた心身を解きほぐす場として機能しています。席順は、上座に僧侶や世話役、会社関係者などの来賓が座り、遺族や親族は末席(下座)に座って接待役を務めるのが基本ですが、参列者として招かれた場合は、遺族の勧めに従って指定された席に座り、遠慮しすぎないことが大切です。食事中は、故人の思い出話を静かに語り合うのが最もふさわしい話題であり、大声で笑ったり、政治や宗教、病気の話など意見が分かれる話題や暗くなる話題を出したりするのは避けるべきですし、お酒が入ると気が緩みがちですが、泥酔したり長居したりするのは遺族にとって大きな迷惑となるため、節度を持って早めに切り上げるのが賢明です。献杯の発声があった後は、「いただきます」と言って食事を始めますが、乾杯のように杯を合わせたり、拍手をしたりするのはマナー違反ですので注意が必要です。遺族はこの席で、参列者一人ひとりにお酌をして回り、感謝の言葉を述べることが多いですが、参列者側としても「お疲れ様でした」「無事に終わってよかったですね」と遺族を労い、励ます言葉をかけることで、遺族が安心して休息できる雰囲気を作ることが最後の務めとなります。精進落としがお開きとなり、会場を後にする際の「お世話になりました」「失礼いたします」という挨拶をもって、本当の意味での「葬儀からの見送り(帰還)」が完了し、それぞれの日常へと戻っていくのです。